Q1

退職手当、結婚祝金、死亡弔慰金、災害見舞金などは賃金に該当しますか。


労働基準法上の賃金とは、名称のいかんを問わず「労働の対償」として支払われるものをいいます。
「労働の対償」に該当するか否かが問題となりますが、設問のケースでは次のように解されています。
@退職手当については、労働協約、就業規則、労働契約等に予め支給条件が明確である場合は、賃金に該当します。
A結婚祝金、死亡弔慰金、災害見舞金などの「恩恵的給付」は、原則として賃金には該当しませんが、労働協約、就業規則、労働契約等に予め支給条件が明確である場合には、賃金に該当します。


 インフォメーション

労働基準法第11条
昭22.9.13労働省発基第17号


 


Q2

賃金について労働基準法上どのような保護規定を設けていますか。


労働基準法では、次のような保護規定を設けています。

(賃金の決定について)

  1. 国籍、信条又は社会的身分を理由とする差別的取扱いの禁止(労基法3条)
  2. 女性であることを理由とする差別的取扱いの禁止(労基法4条)
  3. 出来高払い制における労働時間に応じた賃金の保障(労基法27条)(おおむね賃金の6割程度)
  4. 最低賃金の保障(労基法28条)(最低賃金法により地域別・産業別最低賃金がある)

(賃金の支払について)

  1. 通貨払いの原則(労基法24条1項)
  2. 直接払いの原則(〃)
  3. 全額払いの原則(〃)
  4. 毎月払いの原則(同条2項)
  5. 一定期日払いの原則(〃)
  6. 非常時払い(労基法25条)

※臨時に支払われる賃金、賞与等については、4,5の原則の例外とされています。


 インフォメーション

労働基準法第3条、第4条、第24条、第25条、第27条、第28条


 


Q3

当社の賃金規定は、同じ職種でも男性の賃金が女性よりも高くなっていますが、問題がありますか。


 労働基準法第4条では、賃金について、女性であることを理由とする差別的取扱いを禁止しています。
 また、男女雇用機会均等法第6条では、「配置、昇進」についての男性との差別的取扱いを禁止しています。
 したがって、同じ職種で学歴、勤続年数、年齢、資格などが同一であるにもかかわらず、性別を理由として男女別々の賃金体系、賃金形態、賃金額を定めたり、その後の昇給に差異が生ずるようなことは、労働基準法並びに男女雇用機会均等法の違反となります。ただし、例えば、営業職と事務職を分けて職種ごとに別々の賃金額を設定することは特に問題ありません。


 インフォメーション

労働基準法第4条、男女雇用機会均等法第6条


 


Q4

最低賃金制度とはどんな制度ですか。


 最低賃金制度とは、「最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない」とする制度です。
 この最低賃金は都道府県ごとに決定されており、「地域別最低賃金」と「産業別最低賃金」の2種類があります。地域別最低賃金は、産業や職種にかかわりなく、県内のすべての労働者と使用者に適用されるものです。産業別最低賃金は、県内の特定の産業の労働者と使用者に適用されるもので、地域別最低賃金より高い最低賃金を必要と認めるものに設定されています。
 これらの最低賃金は、ほぼ毎年改正されます。
 また、労働者が2つ以上の最低賃金の適用を受けるときは、最低賃金のうち最高のものが適用されます。

山口県最低賃金 http://www.pref.yamaguchi.jp/7saitin.htm


 インフォメーション

最低賃金法


 


Q5

最低賃金制度はすべての人に適用されるのですか。


 最低賃金は、原則として事業場で働く常用・臨時・パート・アルバイトなど雇用形態や呼称の如何を問わずすべての労働者に適用されます。
 しかし、一般の労働者と労働能力などが異なるため最低賃金を一律に適用すると、かえって雇用の機会を狭める可能性のある労働者については、使用者が都道府県労働局長の許可を受けることを条件として個別に最低賃金の適用除外が認められています。
 最低賃金の適用除外を受けられる労働者は次のとおりです。

@精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者
A試の使用期間中の者(最長で6ヵ月を限度とする)
B職業能力開発促進法に基づく認定職業訓練を受ける者のうちの一定のもの
C  イ所定労働時間の特に短い者
   口軽易な業務に従事する者
   ハ断続的労働に従事する者


 インフォメーション

最低賃金法


 


Q6

最低賃金制度はどのような賃金を対象としていますか。


 最低賃金の対象となる賃金は、通常の労働時間、労働日に対応する賃金に限られます。
 具体的には、実際に支払われる賃金から次の賃金を除外したものが最低賃金の対象になります。

@臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
A1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
B所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
C所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
D午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
E精皆勤手当、通勤手当及び家族手当


 インフォメーション

最低賃金法


 


Q7

家族の病気のため緊急な出費が必要となった場合、会社に給料日前の賃金の繰上払いを求めることはできますか。


 労働基準法第25条では、労働者が出産、疾病、災害等の非常の場合の費用に充てるために請求した場合においては、使用者は支払期日前であっても、その労働者の請求時までの労働に対する賃金を支払わなければならないと規定しています。
 したがって、以上のような事情があれば給料日前であっても一定の額の賃金を請求することができます。
非常時払いの請求ができるのは、労働者本人又は当該労働者の収入によって生計を維持している者について、次の事由が生じた場合です。
 出産、疾病、災害、結婚、死亡、やむを得ない事由により1週間以上にわたって帰郷する場合


 インフォメーション

労働基準法第25条、施行規則第9条


 


Q8

割増賃金の支払が必要なのはどのような場合ですか。


労働基準法で割増賃金の支払を必要としているのは、次のような場合です。

時間外労働の場合
 時間外労働とは、法定労働時間(1日8時間、1週40時間(特例事業は44時間))を超えて労働させる時間です。
したがって、就業規則等で法定労働時間に達しない労働時間を定めている場合には、当該所定労働時間を超えても、法定労働時間に達するまでは割増賃金を支払う必要はありません。もちろん、通常の労働時間にかかる賃金は当然支払わなければなりません。

休日労働の場合
 休日労働とは、法定休日における労働であり、法定休日(毎週最低1日又は4週間を通じ4日以上)以外の休日に労働させても割増賃金を支払う必要はありません。
ただし、法定休日以外の休日の労働により週の法定労働時間を超える場合には、時間外労働の割増賃金が必要となります。

深夜労働の場合
 深夜労働とは、午後10時から午前5時までの労働であり、交替制勤務などで所定労働時間が深夜の時間帯になる場合にもその時間帯の労働については、割増賃金を支払う必要があります。


 インフォメーション

労働基準法第37条