Q1

休日は特定した日としなくともよいのですか。


 労働基準法では、休日についてあらかじめ特定することは要求していません。
 しかし、労働者保護の観点から休日を特定することが法の趣旨に合致するものであることから、できるかぎり就業規則等において具体的に一定の日を休日として定めるようにすることが望ましいといえます。
 また、変形労働時間制を採用する場合、労働日、休日を指定する必要があります。


 インフォメーション

労働基準法第35条


 


Q2

 就業規則において休日を特定していますが、業務上の必要により休日を別の日に振り替えることはできますか。
 また、休日の振替と代休とはどう違うのですか。


 休日の振替とは、業務の都合によって、あらかじめ休日と定められた日を労働日とし、その代わりに他の労働日を休日とすることをいいますが、これを行うには就業規則等にこれができる旨を具体的に規定することが必要です。
つまり、就業規則において休日を特定したとしても、別に休日の振替を必要とする場合休日を振り替えることができる旨の規定を設け、これによってあらかじめ休日を振り替えた場合には、当該休日は労働日となり休日に労働させたことにはなりません。
 但し、この振替規定により振り替えた場合、当該休日は労働日となり休日労働とはなりませんが、振り替えたことにより当該週の労働時間が1週間の法定労働時間を超えるときには、その超えた時間は時間外労働となりますので、時間外労働に関する36協定の締結や割増賃金の支払いが必要となりますので注意が必要です。
 以上のような就業規則等の振替規定によることなく休日に労働を行った後にその代償としてその後の特定の労働日の労働を免除するのが、いわゆる代休です(ただし、代休は必ずしも与える義務はありません)。代休の場合には、休日の振替と異なり、その休日労働について法定の義務は免れず、36協定の締結や割増賃金の支払いなどが必要となります。


 インフォメーション

労働基準法第35条
昭63.3.14労働省基発第150号


 


Q3

年次有給休暇はどのように与えなければならないのですか。


 年次有給休暇については、労働基準法第39条では、1年(初年度は6カ月)の継続勤務と全労働日の8割以上の出勤を要件として、付与日数を1日ずつ増加、継続勤務3年6か月目からは2日ずつ増加させることとなっており、最大日数の20日に達するには、継続勤務6年6カ月必要です。

具体的な付与日数は、次表のとおりです。
《労働基準法による付与日数≫

勤続年数
6月
1年
6月
2年
6月
3年
6月
4年
6月
5年
6月
6年
6月
付与日数
10日
11日
12日
14日
16日
18日
20日

 


 インフォメーション

労働基準法第39条第1項、第2項


 


Q4

パートタイム労働者には、年次有給休暇はどのように与えなければならないのですか。


 パートタイム労働者には比例付与しなければなりません。

 所定労働日数が通常の労働者に比較して相当程度少ないパートタイム労働者などの労働者については、年次有給休暇を比例付与しなければなりません。

 次のいずれかに該当する労働者は、年次有給休暇の比例付与の対象となります。

@週所定労働時間が30時間未満、かつ、週所定労働日数が4日以下の者
A週以外の期間で所定労働日数が定められている場合には、年間の所定労働日数が216日以下の者

 比例付与日数は次の表のとおりです。

イ週所定労働日数が4日又は年間所定労働日数が169日〜216日

継続勤務年数
6月
1年
6月
2年
6月
3年
6月
4年
6月
5年
6月
6年
6月以上
付与日数
7日
8日
9日
10日
12日
13日
15日

ロ週所定労働日数が3日又は年間所定労働日数が121日〜168日

継続勤務年数
6月
1年
6月
2年
6月
3年
6月
4年
6月
5年
6月
6年
6月以上
付与日数
5日
6日
6日
8日
9日
10日
11日

ハ週所定労働日数が2日又は年間所定労働日数が73日〜120日

継続勤務年数
6月
1年
6月
2年
6月
3年
6月
4年
6月
5年
6月
6年
6月以上
付与日数
3日
4日
4日
5日
6日
6日
7日

ニ週所定労働日数が1日又は年間所定労働日数が48日〜72日

継続勤務年数
6月
1年
6月
2年
6月
3年
6月
4年
6月以上
付与日数
1日
2日
2日
2日
3日

 なお、週所定労働時間が30時間以上の者、週所定労働日数が5日以上の者、年間所定労働日数が217日以上の者は通常の労働者と同様に付与しなければなりません。


 インフォメーション

労働基準法第39条第3項


 


Q5

年次有給休暇の付与要件である出勤率(全労働日の8割以上)は、どのように計算すればよいのですか。


 年次有給休暇の要件である出勤率は、次の計算式で計算されます。

出勤した日
出勤率=

(8割以上)
全労働日

 「全労働日」とは、就業規則その他によって定められた所定休日を除いた日をいいますが、次に掲げるものは含まれないものとされています。

@使用者の責に帰すべき事由による休業日
A正当な争議行為により労務の提供がまったくなされなかった日
B休日労働した日
 「出勤した日」とは、現実に出勤した日をいい、早退、遅刻等をした日についても、一部でも勤務した日は出勤した日に含まれます。
 ただし、現実に出勤していない日であっても、次に掲げる日は、出勤したものとして取り扱わなければならないこととされています。
@業務上の負傷・疾病による療養のため休日した日
A育児・介護休業法による育児・介護休業をした期間
B産前産後の休業期間
C年次有給休暇を取得した期間


 インフォメーション

労働基準法第39条第1項、第7項


 


Q6

 年次有給休暇の請求をしたところ、業務の都合から請求した日については、承認できないと言われましたが、これに従わなければならないでしょうか。


 年次有給休暇は法律上当然に成立する権利です。

 まず、最高裁判決によれば、年次有給休暇の法的性格については、法定要件を充たした場合法律上当然に成立する権利であり、労働者の請求をまってはじめて生ずるものではないと解されていますので、年次有給休暇の「請求」とは、休暇の時季を指定するという趣旨にすぎず、これに対する「承認」という観念を入れる余地はありません。(S48.3.2最高裁判決、白石営林署・国鉄郡山工場事件)

 時季変更権の行使基準は

 次に、年次有給休暇の権利は、前述のとおり法定要件を充たした場合法律上当然に成立する権利と解されていますが、事業運営との調整を図るため、労働者が指定した時季に年次有給休暇を与えると事業の正常な運営を妨げる場合には、使用者は、その時季の変更を求めることができるとされています。これを時季変更権といいます。
 したがって、どのような事情があれば「事業の正常な運営を妨げる」といえるかが問題となります。
 この場合、当該事業場を基準として、事業の規模、内容、当該労働者の作業内容、性質、代替要員の配置の難易等を考慮して客観的に判断すべきであるとされていますが、単に業務が繁忙であるとか、人員が不足しているというだけでは「事業の正常な運営を妨げる」事由としては不足していると考えられます。


 インフォメーション

労働基準法第39条第4項


 


Q7

 年次有給休暇を取得したことを理由として、精皆勤手当、賞与の減額などの取扱いをすることができますか。


 労働基準法附則第136条では、「使用者は、年次有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の滅額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない。」と規定しています。
 「賃金の減額その他不利益な取扱い」とは、精皆勤手当や賞与の算定に際して、年次有給休暇を取得した日を欠勤又は欠勤に準じて取り扱うことのほか、年次有給休暇の取得を抑制するようなすべての不利益な取扱いが含まれるとされています。
 この附則第136条は、いわゆる訓示規定と解されますが、年次有給休暇の取得を理由とする精皆勤手当や賞与の減額については、公序良俗違反として民事上無効とされる場合もあると解されています。


 インフォメーション

労働基準法第39条、附則第136条